社長からのご挨拶
□ 株主の皆様へ
株主の皆様には、日頃より格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。
□ 事業の経過および成果のご説明
2024年3月期の世界の経済環境は、インフレの高止まり、各国の金融引き締め政策が継続しており、景気減速の傾向が強まりました。地域別に見ますと、米国においては、金融環境の引き締まりにより、製造業を中心に設備投資が抑制され経済活動の下押し要因となり、今まで景気を下支えしていた個人消費も減速傾向が見え始めました。欧州においては、インフレ圧力は緩和傾向にあったものの、需要の減速から企業の生産活動も低調に推移し、景気低迷が続きました。国内においては、為替の円安進行により、輸出企業の業績押し上げ、インバウンド需要の回復等により大企業やサービス業を中心に景況感の改善傾向が継続しましたが、製造業の生産活動は各国の景気減速等の影響を受けて伸び悩みました。
このような状況のなか、当社グループは、持続的な増収を基調とした安定収益基盤の確立による通期営業損益の改善を最重要課題として事業構造改革に継続的に取り組みました。中核事業の情報画像関連機器事業では、収益性確保を伴う持続的成長に向け、純正サプライ品の継続収益に繋がる日米欧市場に軸足のシフトを進めるとともに、ソフトウェア・サービスでの付加価値提供による差別化・ビジネスモデル革新を進めてまいります。大判インクジェットプリンタ製品においては、今下半期より販売が本格化した新型フラットベッドUV-LEDプリンタ『XpertJet 1462UF』が、多様なメディア対応と高生産性と高画質の実現、従来のUVフラットベッドプリンタにない新たなサイズ展開が市場に受け入れられて好調に推移しました。3Dプリンタにおいては、新製品としてエントリーモデルながらカーボン繊維入りフィラメントを使用できる『MF-900』を市場投入し、個人から企業まで幅広いニーズに対応による新たな市場開拓を進めましたが、国内メーカーでの安心サポート体制が評価され、厳しい競争環境の中でも売れ行きが増進し、年間販売台数は前年比二桁増となりました。設計計測機器事業においては、3Dプリンタ製品との連携により、CADから3D出力までのトータルサービスを提供する「教育機関向けMUTOHパッケージ」が国内におけるデジタル化教育のニーズに応えるソリューションとして好調に推移したことに加えて、電力価格の高騰下における省エネニーズの高まりを受けて企業向けLED照明機器の販売が大幅に伸長し、売上高前年比二桁増を牽引しました。
以上の結果、売上高は、新製品による新たな市場開拓と為替の円安による押し上げもあり175億7百万円(前年同期比4.2%増)となりました。営業利益は、継続した原価率改善の取り組み、高付加価値製品の拡充と販売シフトによる収益性の改善、販管費の抑制等により12億46百万円(前年同期比28.8%増)となりました。経常利益は、営業利益に受取利息等の営業外収益と為替差損等の営業外費用の計上により11億72百万円(前年同期比19.8%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、課税所得の増加による法人税等の増加により7億64百万円(前年同期比13.0%減)となりました。
なお、2025年3月期の通期業績予想につきましては、2025年2月13日付で、2024年5月に公表した予想を修正し、売上高180億円、営業利益13億円、経常利益13億円、親会株主に帰属する当期純利益13億円としました。また配当につきましても、期末の普通配当および普通配当をそれぞれ5円増配修正し、1株当たり年間120円(中間配当36円、期末配当84円(普通配当41円、特別配当43円))を予定しております。
また、当社をご支援いただいている株主の皆様に対し、株主優遇制度を設けて感謝の意を表してきましたが、より多くの個人株主の皆様により長期にわたり当社株式を保有していただくことを目的として、新たに長期保有優遇制度を設けました。引続き当社の成長をご支援いただきたいと存じます。